知内駅も、津軽今別駅同様、地元の請願駅です。青函トンネル建設時は信号場として計画されてきましたが、津軽海峡線開業時に地元の要請で駅になりました。停車する列車数も、津軽今別駅同様、1日2往復です。
津軽今別駅と異なるのは、北海道新幹線開業時に、知内駅は廃止される見通しということです。国土交通省の新幹線の建設資料などを見ると、開業後の知内駅は「湯の里信号場」と表記されています。津軽今別駅は「奥津軽駅」と表記されていますので、両駅の記述の対比で知内駅の旅客営業が廃止されることがわかります。信号場として残される理由は、北海道側において青函トンネルに一番近い位置にあるからでしょう。貨物列車の待避線が上下に設置されるようです。

485系の「白鳥93号」は、9時38分に知内駅に到着します。下車したのは筆者と鉄道撮影者の二人だけでしたが、数人の一般客が乗車しました。現在も駅としての利用者はあるようです。知内駅は、知内の市街地からは離れていますが、松前方面からはもっとも近い鉄道駅だからかもしれません。

駅舎は粗末ですが、隣に「道の駅」が設置されています。駐車場は広く、多くのクルマが停まっています。津軽今別と異なり、この「道の駅」は交通量の多い道路沿いにあるためか賑わっています。ただ、駐車場から見ると、駅舎は「道の駅」の影に隠れていますので、知らなければここが駅であることに気づかないでしょう。


駅周辺は、北海道新幹線の建設工事であわただしい雰囲気です。駐車場には工事車両が並んでいます。静閑なローカル駅をイメージしてきましたが、現在は雰囲気を異にしています。
知内駅前にはバス停があり、1~2時間に1本の割合でバスが通過します。北海道のローカルバスとしては本数が多い方ですが、これはかつての松前線の転換バスだからでしょう。国鉄転換バスは、昭和時代の鉄道の運転本数の余韻をまだ残しています。

10時58分発のバスで、知内駅前を離れます。このバスは函館までの直行バスですが、途中の木古内駅前で下車します。