井川駅。日本の鉄道を全線完乗(鉄道全線完乗はアプト式で6)

14時43分長島ダム駅発。ここから接阻湖を右手に見ながら新線区間を走る。

長い鉄橋を渡る。湖は見事なエメラルドグリーンだ。

大井川鉄道19

対岸には廃止された旧線の路盤が見える。

大井川鉄道20

鉄橋を渡りきると奥大井湖上駅。湖に突き出た半島にある駅だ。

接阻湖が終わると、山はどんどん深くなる。大きなカーブとトンネルを繰り返して抜けていくうちに、どの方角に向かっているのかもよくわからなくなってきた。尾盛駅を出ると、名所の一つ、関の沢鉄橋がある。川底からの高さが日本一高い橋梁で、普段は橋の上でいったん停止するらしい。

大井川鉄道23

しかし、今日は停止せずに徐行運転で走り抜けてしまった。車掌によると、橋桁に蜂の巣ができていて、列車内にハチが入ってくるかもしれないからだという。実際、僕が乗っていた前の車両にはハチが一匹迷い込んできた。黒く大きなハチで、どうもスズメバチのようである。おそろしい。車掌は「ハチが入ってきても、おとなしくして刺激しないように」との旨を繰り返しアナウンスしていたが、幸い前の車両には乗客が誰もいなかった。

15時19分閑蔵着。終点の一つ手前の駅だけれど、ここから千頭に折り返すバスが出ている。それに乗れば、井川まで行くより1時間ほど早く金谷に戻れるし、寸又峡温泉にも17時過ぎに着ける。時間的に都合がいいからか、ここで降りる乗客も数組いた。最後まで残った客は、他に1組だけである。

いよいよ次は終点井川である。日本の鉄道全線完乗が近づいてきた。感動と興奮の渦が心の奥から巻き起こるなんてことは全くなく、そろそろ疲れたから終点に着いて欲しい。しかし列車は相変わらずのんびり走る。渓谷はますます深まり、線路はさらにくねくねしている。

右手に井川ダムの古びた姿が見えてきた。すると列車はスピードをさらに落とし、するするとカーブしながら、ホームに滑り込んだ。終点井川である。15時37分着。

大井川鉄道21

これで、日本の鉄道全線完乗である。

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