テレビ東京の新企画「高速バス限定!列島縦断の旅」を見てみました。テレ東のバスものといえば、「ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅」が面白いですが、それとは真逆の企画です。
旅のルールは、以下の3つ。
①乗っていいのは高速バスだけ
②鹿児島~青森まで、旅の日数は6日間
③20カ所以上に降り立つべし
このルールを聞いたとき、率直にいって、「ルールをこなすだけなら楽勝ではないか」と思いました。1日平均なら4カ所ずつ。高速バスを使って毎日4カ所乗り降りするだけなんて、やろうと思えば簡単なのではないか、という印象を受けます。そのため、番組を見ていても、「ローカル路線バス」で感じられるような「達成できるかどうかのハラハラ感」はまるでありませんでした。
ところが、番組終了後に
高速バス時刻表
で実際に調べてみると、意外に路線選びが難しいことがわかりました。たとえば、九州から本州へ渡る場合、福岡以外の都市から本州へ伸びる昼行の高速バスはほとんどありません。番組では別府~広島の「別府ゆけむり号」を利用していますが、よくこんな路線探してきたなあ、というような区間です。ですから事前調査の上で別府に行ったのでしょう。つまり、この番組は行き当たりばったりではなく、あらかじめ利用路線がある程度決められていたようです。
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data-ad-format="rectangle">高速バスは、福岡、広島クラスの大都市からは路線が豊富ですが、地方都市間の路線網はそれほど張り巡らされていません。ですから、「同じ都市を2度通ってはいけない」というルールを課したら、それなりにパズルを解くような難しさはあったかと思います。ただ、番組ではそういう縛りもありませんでしたから、その意味でも「ぬるいゲーム」にみえてしまいました。
ただ、道中は夜行バス2連泊などそれなりにハード。やらせなしならば、これをロケで実行するのは相当に疲労すると思われます。京都~金沢の夜行バスは4列シートのようでしたし、タレントさんは疲れて切っていましたね。その点で、「タレントさんは頑張っているなあ」と感じられました。とくに、佐々木もよこ嬢はいい味出していました。
全体的には高速バスを絡めたご当地グルメ番組になっている印象で、旅の狙いが中途半端でした。事前に下調べしてルートを決めているのなら、海部交通の「マイ・フローラ」あたりを登場させて欲しかったですし、それ以外にも高速バスのバリエーションに気を使うと面白くなったのではないでしょうか。あるいは、徹頭徹尾、「行き当たりばったり」で強行させるのも一つの方法でしょう。もう少しテーマを明確にしたほうがよかったのではないかと思います。
大鶴義丹、ダンディ坂野、佐々木もよこのトリオは微妙かな。悪くはないですが、誰か一人、もっとわがままなキャラがいていいのではないでしょうか。好みですが。
次作に期待。
高速バス時刻表 2013年夏・秋号
以下、番組概要です。
■土曜スペシャル「鹿児島~青森2,000km 高速バス限定!列島縦断の旅」(テレビ東京系列)

土スペ新企画高速バスで鹿児島から青森まで列島を縦断する旅にチャレンジ!!
旅のルールは…
①乗っていいのは高速バスだけ
②鹿児島~青森まで、旅の日数は6日間
③20カ所以上に降り立つべし
早朝から夜遅くまで、時には深夜便を使って次の土地へとひたすら移動…。はたして、達成することはできるのでしょうか!?
“高速バス天国”と言われるほど路線が発達している九州の高速バス。バスごとフェリーに乗船できる路線や、飛行機のファーストクラスのような豪華シートバスなど…。日本各地でさまざまな高速バスに乗り継ぎ、降り立った各地ではグルメや絶景、温泉、出会い、お買い物etc…、そこでしか出会えない旅を繰り広げます。