新津は、本州側のトワイライトエクスプレスの本州最後の停車駅です。定刻なら出発時刻は19時39分。しかし、この日の新津到着は21時55分。2時間10分以上遅れています。粟津での1時間20分の抑止が響いていますが、その後も強風による徐行運転などがあり、遅れは増える一方。この先、遅れが発生しやすい羽越路に入るのですが、どうなることやら。
車内を回ってみますと、ほとんどの個室やコンパートメントは埋まっている様子。大阪出発時はBコンパートメントに空きが目立ちましたが、途中での乗車があったようです。ロイヤルやスイートを途中から乗る人は少ないでしょうが、B寝台は「北海道への足」として北陸本線沿線の方の利用も多いようです。
ロビーをのぞくと、人影はそれほど多くありません。個室寝台が多いからか、みなさん、お部屋でくつろいでいるのでしょうか。

部屋に戻って、そろそろ就寝。トワイライトエクスプレスのスイートの素晴らしい点は、ベッドでしょう。進行方向に平行に設置されたベッドは適度な柔らかさ。寝転びながら車窓を眺められるので、まどろみながら景色を楽しむことができます。
夜中に、何度か目を覚まします。羽越本線は単線のためか、ポイント通過が多く、そのたびに車両は大きく揺れます。乗車中の車両スロネ25 503は1976年製。車齢は37年に達します。老朽化からか、荒々しい揺れ方をします。
目覚めたのは午前5時20分。タバコの煙が猛然と空調口から入り込んできたのがきっかけでした。列車の進行方向が変わっています。どの辺を走っているのだろう、とGPSで確認すると、ちょうど青森駅を出たところ。青森駅は運転停車だけですが、発車は定刻なら2時55分。約2時間半の遅れが出ているようでした。羽越本線でも風による徐行運転があり、遅れが増幅されたようです。とはいえ正直なところ、羽越本線で運休にならないでよかった、という気持ちのほうが大きかったです。
午前6時13分。ホイッスルを高らかにして、青函トンネルに突入。旧竜飛海底駅、旧吉岡海底駅の明かりを通過すると、ついに北海道です。トンネル走行中に「おはよう放送」が流れ、食堂車の6時45分からの回の案内がありました。食堂車は6時からオープンのはずですが、その案内はありませんでした。6時で予約した人がいなかったからかもしれません。
青函トンネルを抜け、北海道に上陸。そして7時少し前に、モーニングコーヒーがかごで運ばれてきました。A寝台ならではのサービスです。


魔法瓶に詰められてきたコーヒーが暖かい。
今こそ乗りたい 寝台列車の旅