次に、佐賀城址に行ってみます。佐賀城址には、佐賀城本丸歴史館、という博物館があるようです。地方によくある鉄筋コンクリートの歴史民俗博物館的なものを想像して、行ってみます。
佐賀城は、鍋島藩35万石の大大名の居城です。しかし、その建物はもちろん、縄張りも多くが失われてしまっていて、城内は県庁やら学校やら博物館やらに私有地が混在してしまっています。地図を眺めてみても、かつてのお城の面影を地図上で感じるのは難しいです。
さて、江戸時代から現存する建物は、鯱の門のみのようです。

ここを抜けると、内部に佐賀城本丸歴史館が。立派な木造の建物で、聞けば、江戸時代の本丸御殿の復元建築なのだとか。

江戸期城郭の復元建築は、全国でもそれほど多くありません。つまり、貴重な建物です。なのに、なんでそんな大事なことをもっとPRしないのでしょうか?
あとで確認してみましたが、佐賀城本丸歴史館が木造の復元建築であることは、歴史館のホームページにすらあまり書かれておらず、「知っていればわかる」という程度の記述です。「企画展」やら「常設展」などの案内ばかりが目に付きます。そのため、筆者も普通の博物館かと思って、行くか行かないか迷っていたくらいです。
でも、木造復元建築なら、それがどんな企画展や常設展よりも重要な目玉ではないでしょうか。トップページの目立つ位置に書かないと、よそ者は気づいてくれません。
入ってみると、杉造りの見事な御殿です。広々とした書院や、こじんまりした大名の居室などがよく再現されています。返す返すも書きますが、こんな立派な建物があるなら、佐賀市の観光の目玉になります。「100年の時を経て、本丸御殿、いま蘇る」くらいのPRをしたほうがいいんじゃないか、と思えてしまいます。

クルマで佐賀城址に来るときも、案内が乏しくてわかりにくいです。城門前に駐車場があるのですが、そこが佐賀城址の駐車場であることが書かれていないので、よくわかりません。おそるおそる停めてみたら、正解だった、という感じです。
駐車場は無料で、観光客に優しいです。本丸歴史館も募金制ですし、レンタカーも1,000円ですし、佐賀は観光客のお財布に優しいのですが、どうも案内やPRが苦手なようです。引っ込み思案なのかしら。