天辻峠は、紀ノ川水系と熊野川水系の分水嶺です。紀ノ川と熊野川は紀伊半島の二大河川ですから、ここは紀伊半島最大の分水嶺ともいえます。かつては交通の難所だったようで、そのぶんトンネルの掘削も早かったようです。1959年に完成した新天辻トンネルで抜けます。

トンネルの建設が早かった分、トンネル自体は古くなっていて、車幅は狭いと感じられます。しかし、これでも「新」なわけで、「旧天辻トンネル」はもっと狭かったようです。
国鉄五新線も、この天辻峠を抜けるトンネルまでは完成させましたが、バス専用道としては使われなかったようです。
峠を抜けると、かつての大塔村。現在は五條市に編入されました。
猿谷貯水池の北端の橋を渡り、阪本の集落で右折します。道路もほどよく狭くなり、十津川街道を走っている雰囲気が強くなっていきます。

このあたりから、2011年の紀伊半島豪雨で被害の大きかった地域に入ります。道路被害も大きかったため、土砂崩れで埋まった区間は高規格道路が作られたり、仮設道路が設けられたりしています。
こちらは大塔支所付近。右に真新しい高規格道路が延びています。バスもこの道路を通りますが、一方で旧道沿いの集落にも立ち寄ったりしますので、そのぶん所要時間がかかります。

11時48分、宇井の手前で八木行き「八木新宮特急バス」とすれ違い。新宮を7時46分に出た便です。

十津川村に入り、長殿発電所を過ぎたあたりでは、大規模な土砂崩れで、道路が寸断されていました。高架の新道を通って抜けていきます。

12時6分、上野地着。20分の休憩で、12時30分発と告げられます。

上野地の近くには、有名な谷瀬のつり橋があります。ちょこっとだけ渡ってみました。
高いところは苦手ではありませんが、なんというか、不安感のあるつり橋ですね。

お昼時なので、軽食があれば、と思いましたが、あまり手頃なものはありません。こんにゃくが売っていたので食べてみました。
コメント